その愛想笑いやめろ

サンピリ演出の元一のブログです。
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サンピリの「変身」WEBパンフレット1(企画)
いつものように、作品のことについて書く。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【発端】

相方の松田に次回は「ジンゾウニンゲン」という芝居をしたいと持ちかける。
いつか、なるべく早い段階で自分の病気をテーマにした作品を作りたかった。

単純に病気じゃ面白くない。
当初は、既に定石が浸透している決まりきった殺陣をぶっ壊したくて、
僕なりの「仮面ライダー」みたいな芝居にしたいという構想があり、ヒーローものになる予定だった。病気のせいで上がってしまう数値をエネルギーに変換して戦う自己犠牲ヒーロー。病気が悪化すればするほど強くなって、愛する人を守れる。
殺陣は、コンテンポラリーダンス風にやろうかと。

しかし、僕は自分の体験していない虚構の世界観をつくるのにどうも抵抗がある。断念。

次に「自分はヒーローだ」と自称する少年が「世界」ではなく「自分」を守る戦いを、日常生活の中で繰り広げていく、ドロドロのストーリーを思い浮かべた。
マッドサイエンティストとかわいいキャラクターにアドバイスを受けながら、職場の上司との戦闘を行っていくもの。連戦、連敗、みたいな。ヒーローなのに、勝てないヒーロー。
変身できるはずなのに、変身できないヒーロー。

そこらへんで「ジンゾウニンゲン」から、「変身」というタイトルに変更する。


【キャスティング】

一方、キャスティングについては山崎瑞穂(おみず)の主演が決まっていた。
所属劇団の新人を鍛える、という義務的なものではなく、芝居を始めて間もない彼女になんかでかい役をぶち込んで「芝居って爽快だ!」みたいな経験をさせたかった。横暴。
とりあえずハイテンションで暴れて笑って泣いて叫んでボロボロになるまでブッ飛ぶ役。
ガラ博で少ししか立体化できなかった《スローバラード》という作品に思い入れがあったのだろう、おみずに「妹」役をやらせることはだいぶ最初から考えていた。

兄は、コミュニティダンス、踊りに行くぜ、Thinking Time、ゆめみるきかい、とたくさんクリエイションを共にしたパフォーマー(?)、マッスィー。
送り続けていたラブコールをようやく受け入れてくれて、役者でもダンサーでもミュージシャンでもない才能との戦いが決定した。
とにかく好き放題暴れさせたかったし、一度マッスィーにも脚本のある作品に出演してもらいたかったのもある。幅広く活動している彼の世界をもっと広げられるような。
当初は、僕が出演してマッスィーと1対1で戦う殺陣ダンスを妄想。

福岡嗣与は、松田や僕と高校演劇部時代からの仲間であり、今回が最後に立つ舞台だった。
新体操・コンテンポラリーダンスなど、動きもそうだがキャラクターも癖があって面白い。
よくライトマンやダンサーとして舞台に関わる彼を、やはり最後は演技のある人物として立たせたかった。彼が僕を演劇に引き戻した張本人であるから、最後は絶対僕が関わらないと。なんか、いろいろやらせたい。

山本泰輔、通称もってぃはダンサー。過去、復帰するときにダンスを一緒につくった人だ。
彼のパフォーマンスがすごいから、というよりはやっぱり作品に対するこだわりや楽しみ方、愛情、疑い、繊細な感覚とかが鋭敏で、一度作品を一緒につくりたいと思わせる人物だった。
表記はしていないけれど、造形やダンスの振付はもってぃだったし、クリエイション中の演出助手的な立ち位置をお願いして、役者の体作りにも積極的に関わってもらった。
彼がいる、いないではだいぶ作品の質感は変わっていたと思う。
この公演で勢いづいてもってぃにダンス作品をつくってもらいたいなと思っていた。

パラ子、深田知倫は、ガレキの太鼓の枝光で行われたクリエイションで出会った。
正直、役者として技術的な面で大いに不安はあった。
しかし、それは特に問題としてはいない。一週間前に初心者がきたこともあった。
今回の彼らとする挑戦は、従来の「僕が彼らに合わせて譲歩する演出」ではなく、「彼らが作品に合わせて成長する演出」であった。
この作品は経験未経験問わずのNO AUDITIONという実験ではない。
ガレキを経て、二人ともハングリーでストイックな状態になっていた。あとはそこにどれだけ僕が詰め込めるかにかかっている。
パラ子は佐賀から20日間このクリエイションのために滞在するという捨て身での参加。

松田裕太郎は相方。1公演ぶりに復帰して役者。
横山祐香里は多忙とのことだったが、松田と話して、即決。
田中基康は、過去全ての作品に出演しているサンピリ俳優なので強制参加。

田崎小春は最後に、ギリギリで決まった。ぼんやり連絡したら暇だった。
観たことがある人ならわかると思うが、彼女がいるだけで何故か胸を打たれてしまう。
本当に言葉が思いつかない何かを持っているし、それを引き伸ばすストイックさも備える。
多分、なんだってこなす。誰にだってなれる。
だから、絶対にできるはずのない、「僕」をやってもらうことにした。
他の人の胸を打っても、僕が嘘と見破ればおしまい。
そんぐらいでもしなきゃ、彼女を扱う他と同じ。

役者は揃った。



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サンピリの「変身」WEBパンフレット
サンピリの「変身」にご来場下さいましてありがとうございました。
| サンピリさんの毎日エッセイ | 2013/03/28 2:25 AM |


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