その愛想笑いやめろ

サンピリ演出の元一のブログです。
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サンピリの「変身」WEBパンフレット5(グリーンカード)
サンピリでは、「グリーンカード」という試みを行っている。

本番直前に役者を一人一人呼び出し、他者に影響を与える演技や行為をぶっつけ本番で行わせるという演出だ。つまりは、演出がアドリブを指定する。もちろん、その公演が終わるまで自分以外の人間にグリーンカードの指示を暴露してはならない。

例をあげると、ある演者が他の演者に発するのセリフの中で「ばかやろう」と吠えるシーンがあるとする。
グリーンカードはその際に「距離を詰めろ」や「暴力を与えながら」だの、もしくは「喋らずに」などの指示をだす。
演者はもちろん、練習はできないし、受ける相手は内容をもちろん知らない。
基本的に台本通りに進めていくことと、グリーンカードは必ず実行する約束にはしてあるので、グリーンカードの実行者は絶対に指示通りにぶっつけ本番を挑まなければならないし、受け手は役のままでその影響を受けたまま次に進めなければならない。

この実験演出は、サンピリが未経験者やブランクがある人間を集めたNO AUDITIONでいかに生々しい演技や劇的な場面をつくりだすか悩んだ末に生まれた。

作品の根底や質感、それまで維持してきたクオリティを揺るがすアラワザではあるが、
僕自身の演出や僕の想定以上の演劇性を舞台上で起こすことが可能な演出だ。
また、グリーンカードが演者全員に与えられるというルールは本番前に共有しているので、緊張感や集中力は高まる。一種のストレスを与えられる。

芝居は映像ではない。すべての回が全く同じには絶対にならない。
稽古した演技の応酬が僕は嫌いだ。

・・・・・
<9日昼のグリーンカード>
なし
・・・・・
<9日夜のグリーンカード>
・マッスィー(タケル役・絵描きの兄)
「妹・雫を追い出す場面で、ビンタ。もしくはより強く外に押し出す。」
→実行。ビンタに感化されて、雫の長ゼリフが始まる。
「茜との別れのシーンでの『ゴール』というセリフをもう一度行う」
→実行。実行前は、『ゴール』のセリフ後にすぐさま気持ちを切り替えていたが、実行後は『ゴール』後、数十秒うろたえ、立てなかった

・山崎瑞穂(雫役・妹)
「修羅場、茜の首を『死ねー』と叫んで首を締めるシーンで殺す気で締める」
→効果なし。元々、殺す気で締めていたらしい。

・田崎小春(茜役・病気の少女)
「どこかで一回だけタケルにキスをする。キスの箇所は口でも頬でも」
→実行。修羅場、タケルに救われたシーンで頬にくちづけ。女の戦いに勝った感。
今回のグリーンカードで最も劇的な内容になった。小春恐るべし。

・田中基康(アンサンブル・洗濯機など)
「修羅場、茜と雫が太鼓の音が鳴る洗濯機を奪い合うシーンで、ドドンドドンと音を出す」
→実行。洗濯機が倒れ、ぐちゃぐちゃに。

・パラ子(アンサンブル・やかん、オカマバーの同僚など)
「オカマバーのママがふざけるところでキレる」
→実行。だが、微妙。その後動揺したオカマバーのママの芝居が崩れ、噛みまくる事態

深田知倫(アンサンブル・オカマバーのママなど)
「雫に説教する長ゼリフで、雫をより激しく揺する」
→実行。雫にエネルギーがより充填される

・福岡嗣与(アンサンブル・医者・オカマバーのオカマなど)
「病院のシーン、茜を倒れさせた後、キツく鎖を引っ張る」
→効果無し。多少影響はあったが、紐が切れたため相殺。

山本泰輔(アンサンブル・パソコンから飛び出す旧友)
「旧友が現れ、ヤジの中、目の前で踊りを披露されるシーン後、タケルの肩を叩く」
→実行。タケル役のマッスィーは気付かなかったらしいが、演出的に追加してよかった。

・横山祐香里(タケル母役)
「ラスト、タケルとの会話中に更年期障害」
→実行。泣きっ面に蜂といったシーンになり、タケルの惨めさが際立った。

・松田裕太郎(佐伯役、茜の父親役)
「ラスト、タケルを見つめてはける前に、タケルの襟を掴もうとし、殴らずに離す」
→実行。父親、佐伯視点の終わり方としても良かった。

・・・・・
<10日昼のグリーンカード>
・マッスィー(タケル役・絵描きの兄)
「修羅場のシーンで一分間以上、助けに行かない。」
→実行。
・山崎瑞穂(雫役・妹)
「修羅場のシーンで茜を殺す」
→実行
・田崎小春(茜役・病気の少女)
「修羅場のシーンで生き残る」
→実行。
修羅場のシーンが泥仕合と化して面白かった。

・田中基康(アンサンブル・洗濯機など)
「『誰かが僕の噂話をしている』が流れるタケルのダンスシーンを妨害する」
→実行。中々倒れない洗濯機に、より暴力的になるタケルが見れた。

・パラ子(アンサンブル・やかん、オカマバーの同僚など)
「雫が落ち込むところで、泣く」
→実行。雫にエネルギーが届く。

深田知倫(アンサンブル・オカマバーのママなど)
「Oh、YESとか、洋ポルノみたいな言葉を発して短いセリフを一分間引き伸ばす」
→実行。ひど過ぎて面白かった。

・福岡嗣与(アンサンブル・医者・オカマバーのオカマなど)
「『イクウウウウ』って言う」
→効果無し。他者に影響はなかったが、ひどくて面白かった。

山本泰輔(アンサンブル・パソコンから飛び出す旧友)
「旧友が現れるシーンで、バレないようにタケルをつねる」
→実行。だが、微妙。うろうろしてて挙動不審に。

・横山祐香里(タケル母役)
「最初のシーンに、5セリフほど追加」
→実行。まるで元々セリフがあったかのように演じる。雫の受けも完璧でお見事。

・松田裕太郎(佐伯役、茜の父親役)
「『コーラ代』として絵をもらうところを、『カルピス代』というセリフに置き換える」
→実行。だが、タケルが『コーラ代』としてセリフを変えなかったため、失敗か。


【感想】
今回、「グリーンカード」は自分の演出手法として確立させてみようと断行したが、
元々の演出がグリーンカードの内容を内包していて、別段効果を発揮したとは言い難い。
また、下手な役者は実行者でも受け手でも演技がブレてしまい、効果が薄く、
上手い役者も、元々直前の演出に対応できる能力があるため、効果が薄い。

だが、稽古では決して見られない「本番で生まれる生々しさ」が舞台で作品をより演劇的に豊かにしたシーンは少なくない。
緊張感や集中力に与える影響力はやはり健在であるし、何しろやっている人間が楽しく、より作品に没頭できる。

まとめると、やはり演出の一つとして行っていく意味はあるが、
どういう効果を狙っていくか、どういう事態を引き起こすか、より指示を出す人間が発想を膨らませなければならないというところか。

一方で、グリーンカードに頼らずとも作品を自分の目指す生き生きしたものに引き上げられる演出ができている、ということが自信に繋がった。
いや、演出家としての課題は山積みだ。その山に挑戦する意欲を得たとまでにしておこう。


でも、グリーンカード、めっちゃ面白い。
今度、お客さんにだけ公開した状態で上演でもしてみようか
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サンピリの「変身」にご来場下さいましてありがとうございました。
| サンピリさんの毎日エッセイ | 2013/03/28 2:25 AM |